お風呂の床下水漏れは、一度発生すると修理に多大な費用と時間がかかる深刻なトラブルです。しかし、その多くは、日々のちょっとした心がけや定期的なセルフチェックによって、発生のリスクを大幅に下げることが可能です。大きな問題が起こる前に、予防するという意識を持つことが、住まいと家計を守る上で最も賢明な方法と言えるでしょう。まず、誰でも簡単に始められるのが、浴室の「コーキング」の状態チェックです。ユニットバスの壁と床のつなぎ目、浴槽と壁の隙間などを埋めているゴム状のコーキングは、浴室の防水性を保つための重要な部分です。ここが経年劣化で硬くなったり、ひび割れたり、剥がれたりしていないか、月に一度は指で触って確認しましょう。もし異常を見つけたら、水が侵入する前に、ホームセンターで材料を購入してDIYで補修するか、専門業者に依頼するのが得策です。次に、排水口の定期的な掃除も欠かせません。髪の毛や石鹸カスが溜まると、水の流れが悪くなるだけでなく、排水トラップや排水管に常に水が溜まった状態になり、部品の劣化を早める原因となります。ヘアキャッチャーのゴミをこまめに捨てるのはもちろん、月に一度はトラップの部品を分解し、ブラシで内部のぬめりまでしっかりと洗い流しましょう。また、もしご自宅に床下点検口がある場合は、年に一度でいいので、その蓋を開けて中を覗いてみることをお勧めします。懐中電灯で床下を照らし、地面が不自然に湿っていないか、カビ臭がしないか、配管から水滴が落ちていないかなどを確認します。この一手間が、水漏れの超初期段階での発見につながる可能性があります。さらに、水道を使っていない時に、水道メーターのパイロット(円盤状の部品)が回っていないかを確認する習慣も有効です。もしゆっくりでも回っている場合は、家のどこかで水漏れが起きているサインです。これらの地道なチェックは、日々の暮らしの中ではつい後回しにしがちですが、トラブル発生後の甚大な被害を考えれば、その価値は計り知れません。