トイレの詰まりや水位低下と聞くと、多くの人はトイレットペーパーの使いすぎを想像するでしょう。もちろん、それが最も一般的な原因であることは間違いありません。しかし、専門の修理業者が現場で遭遇する原因は、時に私たちの想像をはるかに超える意外なものだったりします。ここでは、実際にあったいくつかの事例を紹介します。ある家庭では、何度ラバーカップを使ってもトイレの詰まりが解消せず、業者に依頼することになりました。業者が専用のカメラで配管内を調査したところ、排水管の曲がり角に引っかかっていたのは、なんと子供が遊んでいた小さなスーパーボールでした。硬くて水に溶けない異物は、一度配管の奥に入り込むと、自力で取り出すのはほぼ不可能です。また、別のケースでは、猫を飼っているお宅での出来事でした。トイレの流れが徐々に悪くなり、ついにはゴボゴボと音を立てるようになったのです。原因を調べてみると、トイレに流せるタイプの猫砂が、配管内で固まってしまっていたことが判明しました。「流せる」と表示されていても、一度に大量に流したり、配管の状況によっては完全に溶けきらずに詰まりの原因となることがあるのです。さらに驚くべき事例として、節水のためにトイレタンクの中にペットボトルを入れていた家庭でのトラブルがあります。長年使っているうちにペットボトルが劣化し、その破片やキャップがタンク内の部品に干渉して、水が正常に流れなくなってしまいました。その結果、洗浄水量が不足し、排泄物が配管の途中で止まってしまい、深刻な詰まりを引き起こしてしまったのです。これらの事例からわかることは、トイレには本来流すべきもの以外は絶対に流してはならないという単純な事実です。ポケットに入っていたペンやライター、掃除中にうっかり落としてしまったスポンジや布切れ、嘔吐物に含まれていた未消化の固形物など、ほんの些細な不注意が、大きなトラブルの原因となり得ます。トイレの水位が低い、ゴボゴボと音がする、そんな時は、最近何か異物を流してしまった可能性はないか、一度冷静に振り返ってみることも大切です。
トイレの水位低下は意外な物が原因だった