トイレから「ブーン」という異音が聞こえる。そう確信してタンクの中を覗き込んだり、止水栓を調整したりしても、一向に改善しない。そんな時は、一度視点を変えてみる必要があるかもしれません。その音の発生源は、本当にトイレの給水装置なのでしょうか。実は、トイレという密室で聞こえる異音の犯人が、意外にも「換気扇」であるケースは少なくありません。トイレの換気扇は、天井や壁の高い位置に設置されており、長年使用していると、内部のモーターやファンに様々な問題が生じてきます。最も多いのが、モーターの軸受け部分の潤滑油切れや摩耗です。これにより、モーターが回転する際に「ブーン」「ジー」といったうなるような異音が発生します。また、ファンに長年のホコリが蓄積すると、回転のバランスが崩れ、振動音として聞こえることもあります。これらの音は、トイレのタンクから出る音と非常によく似ているため、多くの人が勘違いをしてしまうのです。原因を切り分ける方法は簡単です。まず、トイレの照明や換気扇のスイッチをすべてオフにした状態で、トイレの水を流してみてください。この時に「ブーン」という音がすれば、原因はトイレの給排水設備にある可能性が高いです。一方で、水を流しても音はせず、換気扇のスイッチを入れた時だけ、あるいは換気扇が作動している間だけ音がするのであれば、犯人は換気扇で間違いありません。換気扇の異音は、初期段階であれば、カバーを外してファンやその周辺を丁寧に掃除するだけで改善することもあります。しかし、モーター自体の劣化が原因である場合は、個人での修理は難しく、火災のリスクも伴うため、換気扇本体の交換が必要になります。その際は、電気工事業者に相談するのが安全です。トイレの異音に悩まされたら、まずは先入観を捨て、音の発生源を冷静に特定すること。もしかしたら、問題は水回りではなく、天井にあるのかもしれません。
そのブーンという音本当にトイレからですか?