「これまで何百、何千というトイレのつまりを修理してきましたが、一瞬でつまってしまう現場には、いくつかの共通点があるんです」と、あるベテランの水道業者は語ります。プロの目から見ると、突然に思えるトラブルも、その背景には似通った原因や生活習慣が隠れていることが多いと言います。まず、最も分かりやすい共通点は、トイレ内に本来あるべきでない物が置かれていることです。例えば、芳香剤や消臭剤の小さなキャップ、掃除用のブラシの先端、トイレットペーパーホルダーの上に置かれたスマートフォンや化粧ポーチ。これらは、何かの拍子に便器内に落下しやすく、それに気づかずに水を流した一瞬で、排水路のトラップ部分に引っかかり、完璧な栓となってしまいます。特に小さなお子さんがいるご家庭では、おもちゃが原因となるケースが後を絶ちません。次に、節水を意識しすぎているご家庭も、つまりが起きやすい共通点を持っています。タンク内にペットボトルなどを入れて流れる水量を減らす工夫は、水道代の節約にはなるかもしれませんが、トイレットペーパーや排泄物を押し流すための十分な水量が確保できず、排水管の途中で止まってしまうリスクを高めます。これが蓄積し、ある一瞬で許容量を超えてつまりに至るのです。また、トイレの使い方が家族内で統一されていない場合も注意が必要です。お父さんは大量のペーパーを使う、お母さんは掃除で使ったティッシュを流してしまう、子供は何でも流して良いと思っている、といった状況では、誰かの一瞬の行動が引き金となり、つまりが発生します。プロが現場で確認するのは、便器の中だけではありません。お客様の生活習慣やトイレ周りの環境を観察することで、なぜこのつまりが起きたのか、そして今後どうすれば再発を防げるのかという根本的な原因を探るのです。トイレつまりは、その一瞬の出来事だけでなく、そこに至るまでの過程にこそ、本当の問題が隠されていることが多いのです。
プロが語る一瞬でつまるトイレの共通点